厳寒の北海道(美瑛/白金)は想像以上に美しかった
北海道に行ってきました。
結論から言うと、もうあまりに素晴らしすぎて、冬の北海道を知らずに「寒いところは嫌いだ!」とか言いながら生きてきた40余年を後悔しています。
訪れたのは冬真っ盛りの1月26日。超大型寒波到来が騒がれていたさなかでした。目的地は旭川から白金温泉、そして美瑛です。
「北海道に行ってくるー」というと、色々な人たちが口を揃えて「は?」とか「何しに行くの?」「大丈夫なの?」とか「物好きな…」と、とても冷めた反応を返してくれるのがとても印象的でした。
事前に調べた限りでは「最高気温マイナス6℃、最低気温マイナス26℃」。これは下手したら死ぬんじゃないか?と不安にもなったのですが、よく考えれば現地ではふつうに生活している人たちがたくさんいるわけですし。まあなんとかなるだろうということで、スノーブーツと手袋とヒートテックを調達して行ってまいりました。
ウチの子供(2歳)が動物マニアなので、一日目は旭山動物園。二日目はネイチャーガイドさんにお願いして、白金〜美瑛周辺の「フォトトレッキング」なるものに挑戦してきました。
このフォトトレッキングがあまりに楽しかったので、今回のエントリーで写真と一緒にご紹介したいと思います。
フォトトレッキングはプロのガイドさんにお願いしました
フォトトレッキングをお願いしたのは、美瑛・白金ネイチャークラブさん。ガイドの小倉さんが、土地鑑がなければなかなか踏みいることのできない森の奥までスノーシューで連れて行ってくれたり、写真を撮る人にはたまらない撮影ポイントにクルマで案内してくれる、約8時間のコースです。
この小倉さん、「このガイドに会いたい 100人プロジェクト」でも紹介されている方なのですが、ご自分でも風景や動物の写真を撮り、ブログで日々美しい写真を公開されています。そういう方が、一日かけて効率よく撮影ポイントに案内してくれるわけですから、写真好きにとっては夢のような一日を過ごせるわけです。
というわけで、この日に撮影した写真を一気にご紹介。このフォトトレッキングに参加するとこんな風景に出会えます。
青い川
雪ががんがんに降ってます。静かです。これは白金名物の「青い川」。
アップルの広告で有名になった「青い池」はこの川がせき止められてできているのですが、残念ながら冬は凍ってしまって見ることができません。しかし、この川は冬でも健在です。雪に覆われたこの時期だからこその、白と青の見事なコントラストが楽しめます。
スノーシューで森の奥へ分け入ります
スノーシューとは「西洋式かんじき」のことです。深い雪に沈まずに歩くことができるので、誰も入っていけない森の奥を自由に動き回ることができます。ガイドさんについてずんずん森へ入っていきます。
楽しい
いやー楽しい。満面の笑み。
木に雪が積もってるというより雪の中に木が埋もれている
この森の奥へ突入していきます。
森の中から青い川が見えます
この景色独占です。そしてこの川まで下りていきます
青い川のほとりに到着
なんというか川がもうすごいことに…
エゾジカにもご挨拶
どうもどうも
こんな感じでトレッキングを楽しんだら、このあとはガイドさんの操る四駆で、富良野〜美瑛の美しいスポットをどんどん回っていきます。
富良野近辺
天気が悪いせいもあって、もう白と黒しかない世界が続きます。
水墨画みたいなシンプルな風景ですね。こういうの大好き。
僕もいつかはマイケル・ケンナみたいな写真をいつか撮れるようになりたいと思うのですが、なかなかたどり着けません。
キタキツネ発見
遠くを走っております。ならされて餌を求めて寄ってくる個体が増えている中で、人やクルマを見て走って逃げるキタキツネは北海道では貴重な存在になりつつあるそうです。
美瑛近辺
有名な「クリスマスツリーの木」です。夕日がキレイなスポットらしいのですが、あいにくの雪でした。しかし、そんな中でうっすらと日の光が差して、ちょっと神秘的な感じになりました。
哲学の木
これも有名な木ですよね。
ちなみになぜ哲学?と思ったら、木が少し傾いているのが、首を傾けて考え込んでいるように見えるからだそうです。
最近は木が少しずつ弱ってきているようで、もしかしたら近く切り倒されるかもということですので、見たい人は早めに行っておきましょう。
家族の木
お父さんとお母さん、そしてその間に挟まれた子供という三本の木から親子の木と言われていたそうなのですが、よく見てみると三本じゃねーぞ!何人家族だこれ!親子以外にもいるぞ!というツッコミが増えたとのことで、最近は家族の木と呼ばれるそうです。
そして一気に晴れてきました!
そしてここから急に天気が回復してきました!太陽の光の中、舞う雪がきらきら光っています。
ほんとキラキラして何とも言いがたい美しさ。
某社のカレーのCFでお馴染みのおうち
夕方にポッと家に明かりがともる、カレーのCFを覚えてますかね。あれに使われた家だそうです。
これももうすぐ取り壊されるかもしれない物件です。
再びスノーシューで丘を登ります
美瑛のあたりは冬でもかなりの観光客が写真を撮りに来ているわけですが、みんな足がずぼずぼ埋まって動けなくなっている横を、スノーシューでずんずん登っていきます。優越感。
夏はクルマがギリギリ一台通れるかどうかの道も、雪で埋まってしまえばだだっ広い雪原です。足下にあるガードレールらしきものを目印に登っていきます。
登ったらこんな景色が待っていました
ここは「マイルドセブンの丘」と言われているスポットです。キレイですな。
満面の笑み
日が暮れてきました
楽しかった一日が終わろうとしています…
以上でトレッキングは終了です。
このツアーの楽しいところは、「写真好きによる写真好きのためのプログラムになっている」ことでした。野山を歩いても、町中を散歩しても、写真を撮る人と撮らない人では、歩くペースが全く異なります。撮る人は常に撮らない人たちに「お待たせしてゴメンナサイ」と汗をかきかき謝ったりするわけですが、このツアーに関してはそんな気遣いは一切不要です。思う存分写真を撮りながらじっくり歩ける。
しかも、スノーシューやストックなどの必要な機材は全て借りることができます。スノーシューで歩くのはごく限られた時間だけで、あとはクルマでの移動が多いので、体力に自信の無い人でも十分についていくことができるでしょう。
美瑛や富良野というと夏をイメージする人も多いかと思います。僕も去年の夏に初めて美瑛に訪れたのですが、いやいや、美瑛が本当に美しいのは真冬でした。こんなに美しい世界を今まで知らずに生きてきたとは、なんたる不覚。
絶対にまた来年も来る!いや、もし今年また来られるようなら今年すぐにでも来たい!と思ったのでした。
ぜひ興味のある方は一度は足を運んでみることをオススメします。
ちなみに、今回の機材は全てLUMIX GH3。レンズは12-35mmと35-100mmの二本です。
ここに掲載した以外にも写真をご覧になりたい方はこちら、500px.comのページをどうぞ。