@hitoshi annex on hatena

@hitoshi annexがはてなに引っ越してきましたよ

引っ越しました

突然ですが、株式会社FrogAppsはオフィスを移転して、渋谷を拠点として活動することとなりました。すでに11月一杯で旧オフィスを引き払い、12月から新オフィスで稼働をスタートしています。
場所は宮下公園の目の前。ハッピービルという大変縁起のよろしい名前の建物の8Fで、新たなスタートです。
 
まだ売上のない真っ赤っかの会社ですので、家賃を抑え、内装費用もケチケチで、できるだけ低コストの激安価格でオフィスを用意しました。とはいえ、同時に魅力的な環境がなければ人は集まってきてはくれません。いかにお金をかけずに快適なオフィスを作るか、とても苦心はしましたが、その甲斐あって、思ったよりもステキな場が作れたのではないかと思っています。ていうかアレです、やっぱIKEAは偉大だったって話なんですけどね。IKEAがなければウチのオフィスはできなかったと言っても過言ではありません。(みんなで一日かけて家具を組み立てたのも、多分あとで良い思い出になるのだろうと思います。すげえ大変だったけど)
 
■カフェみたいな場にしたい
物件探しを始めた数ヶ月前から、新しいオフィスには明確なイメージがありました。それは「カフェのような場」を作ること。ミイルは食のサービスだからという理由だけではなく、「人が集まってくるようなサービスは、人の集まってくる空間からしか生まれない」と思うからです。
だから一時期は、居抜きのカフェをオフィスにしようかと思って、物件を回ったりしたほどです。
カフェとは、誰もが気楽に立ち寄り、いくらでも好きなだけくつろげるような場として作られています。まさに、ウチのオフィスはそういうカフェのような場にしたいと思ったのです。
 
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フリーアドレスだけど、僕がいつも作業してるお気に入りの場所はこのテーブル
 
社員には「家やカフェで仕事するくらいなら、オフィスに行って仕事した方が落ち着くや」と思って欲しいし、ユーザーさんには「近くに来たので、フラッと来ちゃいました♡」といつでも気楽に立ち寄ってもらえる場にしたい。
いつも社員やユーザーさんが集まってきて、その会話から新しいサービスや機能が生まれるような場所。ウチのオフィスはそういう場にしたいと思っています。
 
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僕の隣のテーブルで、何か悪巧みをしている共同創業者のお兄ちゃん
 
■キッチンがオフィスの中心
オフィスには、何はなくともまずはキッチンを作りました。料理好きの社員が毎日交代で手料理ランチを作って、それを社員やユーザーさんと一緒に食べる。あるいは、ユーザーさんが遊びに来たらご飯を作ってもらっちゃう。社員とかユーザーとかそういう区別無く、とにかく料理好き・食べることが大好きな人たちがどんどん集まってくるような場にできたら、僕らのアプリももっと魅力的にできるんじゃないかな。そんな風に願っています。
 
そういうわけで、何が言いたいかというと「みんな遊びに来てね!お昼時を狙ってくるのがオススメです!」ってことです。
これからはこのオフィスを使ってイベントもやりたいと思っています。近くに来たら是非遊びに来てください。仕事できるスペースも提供しますよ。
 
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窓からの景色。共同創業者のたってのお願いで、今回はかぶり物の大役を譲ってあげました
 
 
所在地:
渋谷区神宮前6-19-14 神宮前ハッピービル8F

【書評】MEIDA MAKERS

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体


 
最初に結論を書きますと、この本はFrogApps社内の必読図書・第一号となりました。
 
田端信太郎さんの上梓したこの書籍は、過去アドタイに掲載された記事とも内容がかぶる部分はありますが、改めてこうして書籍としてまとまって、さらに分かりやすく体系化された知識となった印象です。
 
今、実はミイルで新たな機能追加/強化を進めているのですが、サービスを設計する過程でも、この本はとても重要な「考える依り代」を提供してくれています。
僕の中で感覚的には捉えているのだけれど、まだ「もやっ」としていて言語化できていない、でもミイルを強化していく上ですごく重要だと思う考え方、みたいなものがあります。サービスを設計して仕様を策定する過程では、それをいかにして全員と共有するかが重要なのですが、いかんせん言語化できていないので、どうにも伝わらないんですよね。結果として、本質ではないところで意見が割れて話が進まなくなったり、自分の考え方を説明するだけで膨大な時間がかかってしまう。
 
もう、それがここ最近の一番の悩みだったんですけども、この本のおかげで、もしかしたらその「考え方のすりあわせ」ができるのではないかと期待しています。
僕の中の「もやっ」とした何かが、この本の中では非常に分かりやすくまとめられているんですよね。買ってきた本を手にとり、最初はざっと中を眺めるだけだったつもりが止まらなくなり、読みながら「そうそう、そういうことなんだよね!」とどれだけ相づちを打ったことでしょう。こうやって、思考をきちんと言語化できる才能ってすごいですよねぇ。
 
ということで、具体的な内容はここには引用しませんが、とにかくこの本は「メディア」的なものを作ろうとしている方には、ぜひ一読をお勧めします。
もちろん、メディアというのはマスメディアだけでなく、SNSやウェブサイトなども全て含めてのメディアであり、その中には多分「個人」も含まれているんだろうと思います。そういう意味では、誰もがこの本を読んで学べることがあるのではないでしょうか。
 
あ、そうそう。
余談ですが、なぜこの本がこんなに分かりやすいかというと、飲食店や食べ物にたとえて説明するという手法が多用されているからなのかもと思いました。この辺のたとえの見事さは見習いたいところであります。

FUJIFILM X-E1はX-Pro1の進化形だった

富士フイルムから、新型のミラーレスカメラ「X-E1」が発売されました。
先行展示の実物をビックカメラで手にして以来、X-Pro1から買い換えるかどうか悩み続けていましたが、結局X-Pro1を下取りに出して購入することにしました。

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マップカメラの売り場では隣にソニーの「あの」RX1も並んでいたのですが、それも十分に触った上で、それでも僕はX-E1を選びました。最大の理由は価格、といえば身も蓋もないんですが、それだけじゃない、やっぱりX-E1には積極的に選ぶ理由がたっぷりあると思うのですね。
購入して最初の週末にしっかり触った感想として、僕はX-E1を買った判断は正しかったと思いましたので、まずはファーストインプレッションをば。
 
僕は以前にもX-Pro1を買って絶賛するエントリーを書いたのですが、X-Pro1からX-E1に至るラインナップは、本当に何とも言えない良さがありまして、たくさん欠点はあれどそれを補ってあまりある魅力があるという、実に珍しいカメラだと思います。
僕はそんなにこらえ性がないので、ちょっとでも欠点があると気になってしまって使わなくなったりするのですが、このX-Pro1だけは全く違いました。
好きなカメラって、普通は撮影枚数がどんどん増えるんです。でも、X-Pro1は愛してるし愛着もあるのに、枚数はそんなに伸びないんですね。なんでしょうこれ。こんなカメラは初めてです。
 
キヤノン EOS 5D mark IIIが「何でも撮れる安心感のあるカメラ」だとすると、オリンパスOM-D E-M5は「いちばん楽ちんなカメラ」、そしてX-Pro1は「一番好きなカメラ」です。
失敗が許されない時は5Dを持っていき、荷物が多いときはOM-Dを選び、じっくり撮影を楽しみたいときはX-Pro1を選びます。
こう考えると、X-Pro1を選ぶときが一番気持ちに余裕があるんですよね。単焦点レンズ一本。足を使ってズームして、それでも撮れないものは潔くあきらめる。肩に力を入れて「いい写真を撮ってやる!」と戦うカメラではなくて、まさにスローカメラ。失敗作もたくさん撮れるけれど、たまに一生の思い出になるような写真が撮れるカメラ。
それがX-Pro1なんだと思います。だから、カメラのルックス的には旅に持っていくという使い方を夢想するのだけれど、むしろいつも持ち運んで、なにげなく日常を切り取ってみる方が合っているのかも、とも思います。
ブレッソンはライカに50mm一本をつけて街をスナップし、数多くの傑作を残しました。X-Pro1は、まさに現代のそれなんじゃないかと思うわけです。
 
そして今回のX-E1は、そんなX-Pro1の良さをさらにいつでも楽しめるように、その良さをしっかり抽出してコンパクト且つ美しいスタイルにまとめた、とても良くできたカメラだと思います。
 
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X-E1 + FUJINON 35mm F1.4
 
小ささは正義
まず、なんと言っても小さい。X-Pro1はあらゆる雑誌やブログで「ボディがでかすぎる」と指摘されてきました。僕としては、ペンタプリズムの出っ張りがない分、OM-D(あれは正確にはペンタプリズムじゃないですが)よりも持ち運びしやすいんじゃね?という感じで、そんなに持てあましたことはなかったのですが、やっぱりX-E1に触ったら「X-Pro1、でかかったわw」と実感しました。
そして、一日使うと、やはりX-E1のサイズの方がぴったりと手になじむようになりました。
 
レスポンスも良くなった
さらに、レスポンスもX-Pro1より向上しています。
シャッターのフィーリングも良い。何よりAFが高速化されていて、X-Pro1で感じたストレスはかなり軽減されています。X-E1のAFはファームアップしたX-Pro1と同等と言われていますが、ボディが小さくなり取り回しが良くなったせいか、X-Pro1よりもより軽快に動いてくれる印象があります。
とはいえ、AF速度はやはりOM-DやNikon 1あたりと比べてしまうと物足りなさが残るのも事実。また、静物でなく子供や動物のように動き続けているものへの合焦はとても苦手のようで、ずっとフォーカスが合わずに迷っていることも少なくありません。Nikon 1は像面位相差を採用しているので速いのは当然として、OM-Dのあの爆速AFはコントラスト方式ですからね。フジだってやればできるはず。なので、ここはこれからのさらなる進化を望みたいところではあります。
 
ダイヤルの快感
シャッターダイヤルと露出補正ダイヤルはX-Pro1のスタイルをそのまま引き継いでいますが、これもX-Pro1より改善されています。ダイヤルを回したときの適度な重さ。ローレットの刻み。この辺のチューニングが素晴らしくて、回すだけで「高級なカメラを操作している」という実感が沸いてきます。
ソニーのRX1を触ったときに一番感動したのは同じくダイヤル類の感触なのですが、X-E1はそのRX1の高級感に決して負けていません。
この辺は高級車のドアを閉めたときの感覚に通じるところでして、些細なことかもしれませんが、しょっちゅう使う部分のクオリティは使い続ける上で満足度に直結するところですからね。大事です。とても大事。
 
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X-E1 + FUJINON 35mm F1.4
 
美しすぎるファインダー
さらにファインダー。
液晶モニターは小型化に伴って小さくなりましたが、その分、EVFはX-Pro1から強化されています。
このEVFがいいんだまた。もはや光学ファインダーよりも美しいとすら思えます。
ポジフィルムで撮った写真をライトボックスで見たときの、あの美しさと言ったら良いのでしょうか。
とにかく、写真をどんどん撮りたくなるような、そういう気分にさせてくれる美しさがあります。
動体を撮影するときの追従などには若干の不満は残りますが、それでも、光学ファインダーでなくEVFを積極的に使いたいと思わせてくれる、そんなクオリティです。
もともとX-Pro1はOVFの美しさに定評があったのですが、X-E1ではこのOVFをバッサリと切り捨ててきました。それでは商品価値が落ちるのでは?と心配する向きもありましたが、しかしそれは杞憂でした。むしろEVFの出来が良いのでOVFが不必要になったのだ、ということだったのかもしれません。
そのくらい、今回のEVFは良くできています。
僕が(価格差はともかく)RX1よりもX-E1を買おうと思った最大の理由はまさにここです。この美しいEVFがあるからこそ、写真を撮ることが楽しくなると思ったのです。
 
やっぱり絵がいい
そして何より、X-Pro1とX-E1に共通する最大の魅力が、カメラの吐き出す絵そのものです。
X-Transというフジ独自のセンサーはローパスフィルターが不要なので、フルサイズ一眼レフすら凌ぐほどに解像感の高い写真が撮れます。実際、5D3よりもX-Pro1の方が解像感がずっと高くて驚いたことは一度や二度ではありません。ローパスがないことから、高感度にも驚くほど強く、ISO 3200は全くの常用感度です。
さらにフジノンレンズの出来の良さ。単焦点だから当たり前というレベルを遙かに超えて、今売られているレンズの中ではトップクラスの実力なのではないでしょうか。発色、ボケ味、立体感、解像力。なんというか、それらが渾然一体となった出来の良さを感じます。
それに加えて、フジならではの「色」があります。VelviaProviaなど、フジが昔からフィルムで培ってきた「色」のノウハウは、このカメラでも遺憾なく発揮されています。特にVelviaモードで撮影したときのあのこってりして深みのある色は、一度はまると決して忘れられません。
僕自身、5DとかOMで撮影した写真の色味をフジの発色に近づけたいと思って、PhotoshopLightroomで何度も格闘しているのですが、なかなかあの色は出せたものではありません。今のデジカメの中では、X-E1とX-Pro1は、唯一、RAWではなくJPEGで撮るべきカメラだと言えるでしょう。僕ら素人が現像したって、カメラのこの現像の美しさには絶対に敵いませんから。
 
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X-E1 + FUJINON 35mm F1.4
  
★★★
 
ということで、X-Pro1に比べると、X-E1は良い意味で「普通のカメラ」になったと思います。癖も少なくなり、複雑で大きいOVFもなくなり、EVFも見やすくなり、レスポンスも良くなり、ホントに使いやすくなりました。とはいえ、まだまだ他のミラーレスに比べると敷居が高いのも事実。おそらく、このカメラの良さを理解できる人は、カメラに「はまる」素養をたっぷり持っている人だと思いますので、是非店頭ででも手にとって試してみてください。
 
それにしても、こういうデジタルカメラが登場したこと、そしてそれを使える僕らは本当に幸せですね。そういやこの状況って、その昔フィルムカメラの世界でコンタックスTシリーズ、ミノルタTC-1、リコーGR1あたりが続々登場した頃に似ている気がします。ようやくデジカメも、成熟期に入ってきたということなのでしょうね。

iPad miniが良すぎるので衝動的にエントリーを書いてみる

もうね、ホントにiPad miniがいいんですよ。これだけいいと思ったデバイスは久しぶりかもしれない。iPhone5なんかより、遙かにいいんじゃないですかね。
iPad miniについてはもうみんな語り尽くしてますし、僕が今さらブログで書く必要はないんでしょうけども、でもやっぱりあんまり良いのでちょっと勢いで書いてみます。

まずはMacBook Airと一緒に持ち運んでも全然苦にならない軽さです。今まではiPadMBAを排他的に選ぶしかなかったんだけど、ようやくMBAと一緒に持ち運べるようになりました。やっぱり軽さは正義ですね。
 
常時持ち運べるようになったことで、iPadは完全に「手帳」としても使えるようになりました。カレンダーアプリは横向きに倒せば一週間を見渡せるバーティカル表示ができますから、これでスケジュール管理も楽々。
正直、iPhoneでのスケジュール管理は現実的ではありませんでした。あくまでも外出先で空き状況を確認する程度で、スケジュールのコントロールはMacのカレンダーなどきちんと一週間を見渡せる環境がなければ、まともにできたものではありません。これがついにiPad miniでできるようになったわけですよ!
さらにEvernoteでは会話の音声を録音しながらメモも取れるわけですから、これ一点だけでシステム手帳を遙かに超える使い勝手が得られます。
 
そして最大の魅力はRetina「じゃない」こと
実は、今まで使っていたiPad3では、BOOKSCANでPDF化してもらった蔵書全てをRetina対応にすると、ファイルサイズが大きすぎて64GBでは入りきらかなったんですね。なので、iPadで持ち運ぶ本をいちいち手で選択して同期させていたわけです。
これが、RetinaでなくなるとPDFの容量がぐっと減りまして、余裕で全てiPad miniに入れることができちゃいました。家の本棚を全部iPad miniに入れて持ち運べる快感は、その昔iPodで家のCDを全部持ち運べたときの感動と安心感とかなり似ています。
なにより、「どの本を持ち運ぶか」を選ばなければならないストレスは本当に大きかったですからね。それから解放されたのは本当に気持ちいいわけです。
そもそも、電子書籍なんてのは「持ち運ばない」って決めるのは「未来永劫読まない」って決めることとほぼイコールなんですよね。一旦持ち運ばないと決めて同期を外すと、それを再び同期させようという機会も動機もほぼ失われる。つまり、iPadに流し込まないと決めた瞬間に、それは本棚から消し去ることに等しいわけです。(kindle等のサービスよりも、自炊系の書籍の方がその傾向は強い気がしています)
 
そういうわけで、出るずっと前からiPad miniは切望していたのですが、それだけ本当に待った甲斐のあるデバイスだと思っています。スペックだけ見ればなんの変哲もない凡庸な端末に見えるかもしれませんが、いやいや、これは本当に良くできてる。このバランスは奇跡と言ってもいいんじゃないですかね。

「あさこ食堂」とお母さんの手料理の話

シラサカアサコさんの「あさこ食堂」が、ついに本当のお店になりました。
 
リアル「あさこ食堂」開店します!
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ここでシラサカアサコさんを知らない方のために簡単にご説明すると、彼女はミイルで一番多くの「食べたい!」を集める、まさにアルファなミイルユーザーさんです(ミイルアカウントはasacoshirasaka)。ミイルに投稿した写真を利用した「あさこ食堂」というブログも運営していて、こちらも人気となっています。
さらにさらに、この活躍はどんどん加速して、ついにあのディスカバー21から、「あさこ食堂の一緒に食べる遅(おそ)ごはん!」という本を出すことまで決まったのです!そして今回、この出版に先立ち、あさこ食堂のいろんなメニューが期間限定で実際にお店で食べられるようになったというわけです。
 
そのお店がこちら。
FabCafe
おしゃれなお店ですねぇ。ここで10月22日 (月)から26日 (金)のランチタイム(11時半〜15時)、一日40食限定であさこさんの手料理が楽しめます。

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【レセプションで食べた、なすの梅照り焼き丼は本当においしかった】
 
この「リアルあさこ食堂」については、すでにたくさんの方が記事にされているようですので、それぞれの記事はこちらからご覧いただくとして。
僕はちょっと違う観点で、ミイルの中の人という視点から、あさこさんについて書いておきたいと思いました。
 
★★★
 
そもそもは、僕があさこさんと知り合ったのは数年前にさかのぼります。ある友人から育毛クリニックのプロモーションについての相談を受けた際、そこに同席していたのがあさこさんでした。その場で彼女が書いているというブログを読み、そして手作りのレシピノートを見て、あまりのクオリティの高さにびっくりしたのを良く覚えています。「これ、このまま出版できるんじゃないの?」というレベルでした。
思えば、そもそも彼女はこうして料理本を出版したり、実際にお店として料理を提供したり、そのくらいの実力はその頃から持っていたのですよね。タイミングさえ合えば、彼女はいつでもブレイクできた人なのだろうと思います。
 
その後、僕もひょんなことから「ミイル」をリリースします。しかし、その時は僕らはあさこさんには声をかけませんでした。試しに使ってもらうことすら想定しませんでした。なぜなら、リリース当初、僕らは彼女のような手料理派より、むしろ外食機会の多いユーザーさんを意識したからです。
しかし、ふとしたきっかけであさこさんがミイルを知り、そこから彼女の毎日の投稿が始まると、そこで僕らは自分たちのサービスの価値が別のところにあったことを知るのです。
 
僕はもともと彼女が料理が上手いことを知っていました。豚組で開催したイベントでは、彼女のオリジナルレシピを豚組の料理人に調理させてお出ししたこともあります。料理長からの評価は「このまま作って十分に美味しかったので、特にアレンジを加えずにそのまま出しましたよ」という、とても高いものでした。
親しい友人だけで集まって「手料理の会(僕は食べる役でしたが)」を開いたときも、確かに彼女の作ったお料理は美味しいものばかりでした。
でも、それでも僕は彼女の本当の実力を知らなかったのですね。
 
そして、日々投稿されるあさこさんの写真を見て、初めて僕のあさこさんへの認識がどれだけ甘かったかを思い知らされたのです。彼女の投稿は、一枚一枚を見ればそれほど派手なお料理ではありません。もちろんセンスの良さは感じるし、盛りつけやテーブルセッティングも美しいし、写真の撮り方も上手です。でも、プロが作るものに比べれば、やはり「地味」であることに間違いはありません。
でも、その写真が毎日毎日投稿されて、彼女の写真が「塊」となったとき、彼女がどれだけすごいかをようやく理解することができました。
 
彼女のすごさは何かといえば、それはまさに「毎日食べる」ことを考えて作っていることなのですね。僕ら飲食店を営んでいる者は、どちらかというと「週に一回」「月に一回」場合によっては「年に一回」食べることを想定し、その食事が印象に残るように力を尽くします。自ずと盛りつけや演出は派手になります。味もどこかに必ず主張のあるものになります。こうして作られたお料理は、確かにハレの気分を味わえるものになるのですが、ただ同時に毎日食べると必ず飽きがくるのですよね。
 
家庭のお料理はそれでは成立しません。旦那さんや子供に食べてもらうお母さんの手料理は、毎日毎日ずっと続いていきます。毎日無理なく続くように、調理の手間はできるだけかからない方がいい。味は、インパクトがありすぎるものではなく、じわじわ美味しい方がいい。毎日食べても飽きないだけでなく、毎日食べ続けることでどんどん美味しく感じるような、そういう味付けの方がいい。そしてそんな日々の食事が文字通り家族の肉や骨となり、生活を支えていくのです。
 
僕は彼女からどういう気持ちで料理を作っているのか、直接聞いたことはありません。でも、彼女の写真から感じるのは、そんな気持ちで料理に向かっている姿です。
 
ここで、僕はあさこさんのすごさを知るとともに、ミイルの別の可能性にも気づかされました。外食のように一食入魂で作るお料理は、一枚の写真だけで多くを伝えることができます。しかし、何枚も何枚も、たくさんの写真が日々投稿されていくことでその人の家族への思いが見えてくること、それこそがミイルの本当の価値なのかもしれません。
飲食店の人たちは、料理に対して強い思いを持っています。しかし同じように、毎日家で料理をしている主婦の人たちも、また別の思いを持っているのですね。両者の違いは、前者は不特定多数の人たちを相手にしているけれど、後者は特定のほんの少数の人たちを相手にしていること。前者はたまに食べたときの喜びを追求して、後者は毎日食べて幸せになることを追求していること。
その思いや相手にしている人が違うだけで、料理に対する気持ちは、どちらも同じように尊いのですよね。
 
★★★
 
そういうわけで、普段は旦那さんしか食べることのできないあさこさんの手料理が食べられる機会は、今しかありません。あさこさんがどんな思いで毎日の料理を作っているのか。まずは本人から敢えて何も聞かず、お料理とだけ向き合って、その気持ちを感じ取ってみていただきたいと思います。
派手さはあまりないかもしれないけれど、そこに何かを感じ取っていただくことができれば、ミイルを運営する者としてもこんなに嬉しいことはありません。
 
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今回の出版から出店までをバックアップしているチームあさこのみなさん。頑張ってください!
 
 
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それにしても、やっぱり料理してると楽しそうだなあ。
 
 
ミイルブログ関連記事:

増資を行いました

すでにこちらのプレスリリース等でも発表していますが、株式会社FrogAppsは、リードキャピタルと電通デジタルホールディングスそれぞれの運営するファンドを引受先とした第三者割当増資を実施しました。

今回の増資ではおもにチームの強化を図り、miilを「食のプラットフォーム」として広く普及させていくことを目指します。


その詳しい取り組みは今後のさまざまな活動にご注目いただくとして、まずは今回数ヶ月にわたって様々な方々とお会いして感じたことを書き留めておきたいと思います。

今回、第三者割当を引き受けていただいた電通さんやリードさんとお話ししてきてなにより感じたことは、心からmiilの可能性を信じていただいていることです。
miilはまだまだ誇れるほどのユーザー数を獲得できているわけではありません。マネタイズだってできていません。それでもこうして名だたる投資家さんたちから高く評価していただけたのは、何よりもユーザーの方々に極めて活発に使っていただけているという事実があったからこそでした。
実際、アクティブ率は現在もマンスリーで50-60%の水準で推移しています。投稿者数も、マンスリーで一貫して30%前後を維持しています。
こうして活発に使っていただけているユーザーの皆さんのおかげで、僕らはこうしてサービスを育てていく大きなチャンスを得ることができました。miilを愛してくれている全てのユーザーさんに、心から深く御礼を申し上げます。
そして同時に、miilの可能性を信じて大きな投資をしてくれた皆さんの期待を裏切らないよう、全力でサービスを育てていきたいと思っています。

これまでの事業や資金調達の過程で僕が強く感じたのは、今回僕らが得た資金というのは、miilを愛して使ってくれている皆さんの「今」と、miilの可能性を信じてくれているすべての人たちの「未来」とをつなぐものなのだなあということです。
今と未来をつなぐためにこの資金がある。
この資金は、つまり僕らや投資家さんのものではなく、むしろ今と未来のユーザーさんのためにあるのだと肝に銘じ、世界一のサービスを作り上げるために活用していきたいと思っています。

今は単なる写真共有サービスにしか見えないmiilですが、僕らはもっともっと大きな可能性があると信じています。
食の情報ほど身近で普遍性のあるものは、ほかにはそうそうありません。食は、全ての人類が一人残らず毎日必ず行っている数少ない行為の一つです。
食に関わる人たちも無数にいます。生産者。メーカー。流通。小売。料飲店。メディア。そして家庭の食卓。それらの人たちをmiilがうまくつなぐことができたら、そこには全く新しい世界が見えてくると思うのです。

食は単なる生命維持のための「えさ」ではなく、そこには文化があり、習慣があり、生活があり、経済があり、趣味があり、哲学があり、家庭があり、娯楽があり、喜びや快感があり、ライフスタイルがあります。
「グルメサービス」というと単に「美味しいお店を見つける」ことだけに目が向きがちですが、本当はもっともっと広がるのある、可能性にあふれた分野なのだと思うのです。
食を通じてできることはまだまだたくさんあります。
miilは、これからその可能性を追求していきたいと思っています。



最後に。

株式会社FrogAppsでは、「チームmiil」を本格的に拡充することとしました。
募集職種はアプリ開発のエンジニア、サーバー/インフラ周りのエンジニア、プロダクトマネージャー、ウェブデザイナー、アプリデザイナー、マーケ担当者、事業開発、セールスなど、極めて多岐にわたります。
僕らと同じように、食を愛し、miilに大きな可能性を感じている皆さんからの応募を心からお待ちしています。
http://www.frogapps.com/job/index.html

増資を行いました

すでにこちらのプレスリリース等でも発表していますが、株式会社FrogAppsは、リードキャピタルと電通デジタルホールディングスそれぞれの運営するファンドを引受先とした第三者割当増資を実施しました。

今回の増資ではおもにチームの強化を図り、miilを「食のプラットフォーム」として広く普及させていくことを目指します。


その詳しい取り組みは今後のさまざまな活動にご注目いただくとして、まずは今回数ヶ月にわたって様々な方々とお会いして感じたことを書き留めておきたいと思います。

今回、第三者割当を引き受けていただいた電通さんやリードさんとお話ししてきてなにより感じたことは、心からmiilの可能性を信じていただいていることです。
miilはまだまだ誇れるほどのユーザー数を獲得できているわけではありません。マネタイズだってできていません。それでもこうして名だたる投資家さんたちから高く評価していただけたのは、何よりもユーザーの方々に極めて活発に使っていただけているという事実があったからこそでした。
実際、アクティブ率は現在もマンスリーで50-60%の水準で推移しています。投稿者数も、マンスリーで一貫して30%前後を維持しています。
こうして活発に使っていただけているユーザーの皆さんのおかげで、僕らはサービスを育てていく大きなチャンスを得ることができました。miilを愛してくれている全てのユーザーさんに、心から深く御礼を申し上げます。
そして同時に、miilの可能性を信じて大きな投資をしてくれた皆さんの期待を裏切らないよう、全力でサービスを育てていきたいと思っています。

これまでの事業や資金調達の過程で僕が強く感じたのは、今回僕らが得た資金というのは、miilを愛して使ってくれている皆さんの「今」と、miilの可能性を信じてくれているすべての人たちの「未来」とをつなぐものなのだなあということです。
今と未来をつなぐためにこの資金がある。
この資金は、つまり僕らや投資家さんのものではなく、むしろ今と未来のユーザーさんのためにあるのだと肝に銘じ、世界一のサービスを作り上げるために活用していきたいと思っています。

今は単なる写真共有サービスにしか見えないmiilですが、僕らはもっともっと大きな可能性があると信じています。
食の情報ほど身近で普遍性のあるものは、ほかにはそうそうありません。食は、全ての人類が一人残らず毎日必ず行っている数少ない行為の一つです。
食に関わる人たちも無数にいます。生産者。メーカー。流通。小売。料飲店。メディア。そして家庭の食卓。それらの人たちをmiilがうまくつなぐことができたら、そこには全く新しい世界が見えてくると思うのです。

食は単なる生命維持のための「えさ」ではなく、そこには文化があり、習慣があり、生活があり、経済があり、趣味があり、哲学があり、家庭があり、娯楽があり、喜びや快感があり、ライフスタイルがあります。
「グルメサービス」というと単に「美味しいお店を見つける」ことだけに目が向きがちですが、本当はもっともっと広がるのある、可能性にあふれた分野なのだと思うのです。
食を通じてできることはまだまだたくさんあります。
miilは、これからその可能性を追求していきたいと思っています。



最後に。

株式会社FrogAppsでは、「チームmiil」を本格的に拡充することとしました。
募集職種はアプリ開発のエンジニア、サーバー/インフラ周りのエンジニア、プロダクトマネージャー、ウェブデザイナー、アプリデザイナー、マーケ担当者、事業開発、セールスなど、極めて多岐にわたります。
僕らと同じように、食を愛し、miilに大きな可能性を感じている皆さんからの応募を心からお待ちしています。
http://www.frogapps.com/job/index.html