【書評】MEIDA MAKERS
- 作者: 田端信太郎
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2012/11/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最初に結論を書きますと、この本はFrogApps社内の必読図書・第一号となりました。
田端信太郎さんの上梓したこの書籍は、過去アドタイに掲載された記事とも内容がかぶる部分はありますが、改めてこうして書籍としてまとまって、さらに分かりやすく体系化された知識となった印象です。
今、実はミイルで新たな機能追加/強化を進めているのですが、サービスを設計する過程でも、この本はとても重要な「考える依り代」を提供してくれています。
僕の中で感覚的には捉えているのだけれど、まだ「もやっ」としていて言語化できていない、でもミイルを強化していく上ですごく重要だと思う考え方、みたいなものがあります。サービスを設計して仕様を策定する過程では、それをいかにして全員と共有するかが重要なのですが、いかんせん言語化できていないので、どうにも伝わらないんですよね。結果として、本質ではないところで意見が割れて話が進まなくなったり、自分の考え方を説明するだけで膨大な時間がかかってしまう。
もう、それがここ最近の一番の悩みだったんですけども、この本のおかげで、もしかしたらその「考え方のすりあわせ」ができるのではないかと期待しています。
僕の中の「もやっ」とした何かが、この本の中では非常に分かりやすくまとめられているんですよね。買ってきた本を手にとり、最初はざっと中を眺めるだけだったつもりが止まらなくなり、読みながら「そうそう、そういうことなんだよね!」とどれだけ相づちを打ったことでしょう。こうやって、思考をきちんと言語化できる才能ってすごいですよねぇ。
ということで、具体的な内容はここには引用しませんが、とにかくこの本は「メディア」的なものを作ろうとしている方には、ぜひ一読をお勧めします。
もちろん、メディアというのはマスメディアだけでなく、SNSやウェブサイトなども全て含めてのメディアであり、その中には多分「個人」も含まれているんだろうと思います。そういう意味では、誰もがこの本を読んで学べることがあるのではないでしょうか。
あ、そうそう。
余談ですが、なぜこの本がこんなに分かりやすいかというと、飲食店や食べ物にたとえて説明するという手法が多用されているからなのかもと思いました。この辺のたとえの見事さは見習いたいところであります。