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Adobe Revelは理想の写真保管ツールかもしれない

デジカメを使うようになって約10年。この10年は、撮影した写真の保管方法で悩む10年でもありました。フィルムと違って、デジカメは何枚でも気楽に撮影できてしまいます。気づけば、一日で数百枚撮ってしまうことだって珍しくありません。それをどう保存していけばいいのでしょうか。
HDDなどのストレージ製品の価格はどんどん安くなり続けていますから、いつかは「いくらでも無限に保存できる」ほどの膨大な容量を持った外付けHDDが現れるだろうと期待していた時期もあります。しかしよく考えてみたらそれと比例して、デジカメの高画素化も進んでいるわけでして。写真一枚あたりのファイルサイズもどんどん大きくなって、今やRAWで撮影しようものなら、一枚が数十MBにもなります。結局は常に「写真を保存したくてもディスクが足りない」的な問題との戦いは続くのでありました。

さらに先日は、外付けで使っていたHDDがぶっ飛ぶというトラブルにも遭遇しました。そこには、大事な家族との旅行の写真がいっぱい・・・もちろん、比較的こまめにバックアップをとっていましたので、全てが失われたわけではありませんが、それでもそれなりの枚数の写真が失われてしまいました。

そんなこんなで「写真の保管をどうするか問題」は常に僕の頭の片隅にあって、それなりのストレスの源になっていたりしたのですが、最近、ついにその悩みからついに解放されそうなサービスと出会いました。
それがAdobeの画像保管サービス「Adobe Revel (旧名称はCarousel)」です。
で、これが結構良い感じなんですね。少なくとも、一ヶ月使った限りでは「写真の保管と管理は、もうこれ一本でいい」と思えました。実際、かなり理想に近い。
これさえあれば、次々とHDDを買う必要もありません。バックアップをとる必要もありません。(もちろん、Adobeさんなら完璧にデータを保全してくれるだろうという期待というか信頼が前提になりますが)

そこで、トライアル期間終了とともに、迷わず有料契約に移行した次第です。僕と同じように「写真の保管をどうするか問題」で悩んでいる人は決して少なくないと思いますので、簡単にご紹介してみようかと思います。

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Adobe Revel

Adobe Revel=画像保管サービス

Adobeには、PhotoshopLightroomなど、すでにメジャーな画像処理/管理系のアプリケーションがいくつかもあります。それらの既存アプリケーションとRevelの違いは何かというと、Revelは「画像を保存する」ことを目的としている点にあると言えるのではないでしょうか。もちろん、画像を加工する機能も多少用意されてはいますが、Revelの本当の価値はそこにはありません。
Revelの画面は至ってシンプルです。撮影した日付順に写真が並んでいるだけ。ボタンだって、おおまかに言って「設定」と「新規読み込み」しかありません。
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僕らがRevelでできることは、写真を保存することだけです。iPhotoのライブラリから写真を選択して、それをRevelの画面にドラッグする。あるいは、写真の保管してあるディレクトリやメモリーカードから写真を選択して、それをRevelにドラッグする。それだけです。自動的に写真の読み込みが始まり、順次Revelのサーバーにアップロードされていきます。
これだけ見ると、「クラウドに写真を保管するって目的なら、Flickrでもいいんじゃないの?Revelの何が新しいの?」と思われる方もいるかもしれません。いやいや、Flickrとはもう全然違うんですよ奥さん。そこで、Revelの何が優れているのかをもうちょっとご紹介したいと思います。
 
 

特徴その1:容量が無制限

Revelの最も素晴らしい点は、保存容量が無制限だということです。どんなにたくさんの写真を所有している人でも、枚数や容量を気にせず、とにかく「全て」を片っ端から保存できてしまうのです。そして写真の保管サービスにおいては、この「全て」というのが何より大事なのですね。保存できる容量に何らかの上限が設けられれば、必ず「足りるかな」「大事な写真だけセレクトして保存しないといけないかな」という心配を抱えることになります。それがストレスになり、まるで気楽に使えなくなってしまうのです。
写真を撮る上で一番難しい作業は、「撮影する」ことではなく、撮影した中から「セレクトする」ことです。フィルムからデジタルに変わり、枚数を気にせずにいくらでも撮影できるようになった今は、撮影するよりもあとで選ぶ事の方がずっと難しくなりました。そういう意味でも、「撮影した中から必要なものだけを選んで保存する」というやり方は効率が良いように見えて、実は最も現実的でない運用方法だと思います。そして、どうやらRevelを作った人たちは、その辺のことをちゃんと理解しているんじゃないかなと思いました。とにかく、写真を無制限に全部アップロードできる快適さは、何物にも代えがたいと言えるでしょう。
Revelは月額500円の有料サービスですが、無制限に使えて500円なら、僕にとっては「お得すぎる価格設定」だと思います。
 
 

特徴その2:ローカルに保存しない

次にRevelの素晴らしい点は、写真データをローカル(手元のマシン)に保存しないというオプションが選べることです。つまり、写真を保管するためにHDDを持たなくて良いということなのですね!
これで次から次へとHDDを買って、毎回データ移行して、という手間やコストからも解放されるのですよ!
これは、メインマシンをMacBook Airにした僕には特に朗報です。MacBook AirにはSSDが搭載されているのですが、現在最も容量の大きなモデルを選んでも250GB。これでは、僕の写真ライブラリはとてもじゃないですが入り切りません。そのために外付けのHDDを用意してマシンと一緒に持ち運んだりしていたのですが、もはやそれも必要ないということなんですね!うーーん、なんて便利なんでしょう!
 
 

特徴その3:写真がまるでローカルにあるように扱える

ローカルに写真ファイルを置かずクラウドに保管するという管理方法は、すでにFlickr等で実践している人もいます。しかし僕の経験では、Flickrに保存すると、あとで写真を見返すときにどうも不便なのです。ブラウザでFlickrを使っていると、どうしても「手元に写真がない」というもどかしさがつきまといます。これは実に感覚的なことなのですが、次々に写真をブラウズしてその中から目当ての写真を探し出したいような場合、あるいはただ写真を次々に眺めて見返したいような場合、写真が手元にあるのと回線の向こう側にあるのとでは、快適さが全く違うのです。
ローカルに保存するのはコストと手間がかかるからイヤだけど、快適に使うにはローカルに置いておきたい。なんと矛盾していることでしょう。
しかし、Revelはそこもしっかり解決しちゃいました。Revelのアプリを開くと、まるでそこに写真があるかのように高速ブラウズして、写真を探しだすことができるのです。もちろん、オリジナルの写真はローカルにはないのですが、十分なサイズのサムネールが用意されていて、僕の数万枚にも及ぶ写真でも非常に快適に閲覧することができるようになっているのですね。上手ですね。
 
 

特徴その4:iOSアプリもある!

Revelさえあれば、もしかしたらiPhotoは全く不要になるかも。そう思わせてくれるのが、RevelのiOSアプリです。Macで写真を片っ端からRevelに保管すると、その写真は全てiPhoneiPadからも見られるようになります。iPhone標準の写真アプリのように、Macと同期させて写真を読み込む必要もありません。
MacからでもiPhoneからでも、Revelに保存した直後から、どの端末からでも全て見られるのです。しかも、Mac版のアプリと同様、iPhone版のRevelでも写真はローカルには保存していませんので、iPhoneのストレージ容量も気にする必要はありません。
今、僕のiPhoneでは10GB近くが写真で占められているのですが、それが丸ごと不要になるってわけですね!
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特徴その5:共有も簡単

もちろん、共有系の機能も充実しています。
まず、Revelのアルバム(Carouselと呼ばれています)は、一つのアルバムにつきそれぞれ最大5名のユーザーと共有が可能です(アルバム=Carouselは5つまで作れるので、最大25名まで共有可能になります)。共有したユーザーは、まるで自分の所有するアルバムと同じように全ての操作を行うことができます。たとえば、家族写真のCarouselを奥さんとおじいちゃん・おばあちゃんと共有しておけば、撮影した写真を自分のCarouselに保存するだけで、いつでも最新の写真を見てもらうことができるわけです。
最新のRevelでは、iPhoneで撮影した写真をその場で自動的にRevelのCarouselに取り込むことができるようになりました。これと組み合わせると、旅行中にiPhoneで撮影した写真は、その瞬間から実家にいるおじいちゃんやおばあちゃんにも見てもらうことすら可能になります。アップロードをする必要も、同期させる必要もありません。
 
 

特徴その6:ソーシャルにも対応済み

Revelから各種ソーシャル系のサービスに写真を渡すことも簡単です。
iPhoneアプリで写真を選択すると、Facebook/Twitter/Tumblr/Flickrにワンタップで写真を投稿することができるようになっています。もちろん、メールで送ったり、iPhoneのカメラロールに保存することも可能です。(注:このエントリーを書いている時点では、Mac版のアプリケーションからはできないようです)
つまり、写真はとりあえず全部Revelに入れておいて、そこから共有をかける、という使い方が一番楽ちんなのではないでしょうか。
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そういうわけで

Revelがあまりに便利なので、僕は過去のHDDを全部引っ張り出してきて、今までに撮った写真を全てRevelに上げてしまいました。その枚数は8万枚にもなろうかという勢いです。RevelはRAWには対応していないので、かなりの枚数をJPEGに現像するという手間は必要でしたが、この安心感と便利さは何物にも代えがたいと言えるのではないでしょうか。
これで、僕は外出先だろうがどこだろうが、過去に撮った写真の全てをいつでも見られるようになりました。いや、これはホントに便利だ・・・
Revelは月額500円の有料サービスですが、お試し期間は無料で使えますので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。特に、山ほど写真を撮るのはいいけれどその保管と管理に悩んでいる方は、試してみても損はないと思います。