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【お知らせ】株式会社FrogApps新体制についてのお知らせ

今日はミイルを運営する株式会社FrogAppsの組織変更のお知らせです。
 
この2013年4月12日より、共同創業者としてともに永く取締役を務めてきた高橋伸和が新たに社長となり、私は代表としてではなく、一取締役という形でミイルにかかわっていくことになりました。
高橋は、私が個人的には兄として慕い、仕事においては最も尊敬する人物でもあります。過去には日本ベリサインの取締役を務めた経験もあり、テクノロジーやセキュリティへの見識はもちろんのこと、ベンチャー企業における組織作りや、マーケティングの知識も豊富です。これからのミイルの成長ステージにおいて、高橋の経験や知見は非常に大きな力になるものと確信しています。そして、FrogAppsは高橋が率いる新体制のもと、ミイルのいっそうの成長を目指すことになります。
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左が弟、右が兄
 
 
■ミイルは新しいステージに進みます
ミイルは、リリース前の準備期間も入れると約2年間、私自身の思い入れの詰まった「個人商店」という側面が強いサービスでした。しかし、国内限定ながらダウンロードが30万に、「食べたい!」も2,000万が視野に入ってきました。今でも毎日50,000件以上の写真やコメント、「食べたい!」が投稿されるような、グルメサービス界隈ではユーザー参加率の最も高いサービスの一つになったと自負しています。
そしてこのような状況を踏まえ、サービスを運営する私たちも、ついに次のステージへに踏み出す段階に来たと感じました。
 
ミイルは新サービスとしてその価値をユーザーの皆さんに評価して頂く「0→1」の段階を終え、本格的な成長を目指す「1→10」の段階に入ったのです。
 
私の思いをよりどころにサービスを作るのではなく、もっともっとユーザーの皆さんの声に丁寧に耳を傾け、サービスに関わる全員がユーザー目線を大切にして開発にあたるような、そういうチーム体制もようやく整いつつあります。沢山のユーザーの皆さんの思いにこたえるためにも、「永続性」のあるサービスを作れる体制を今まで以上に強化していかねばなりません。
 
 
■新しいステージには新しいリーダー
高橋はまさにベンチャー企業で「1→10」を数多く経験してきた猛者です。
企業が急成長していく過程で、組織の中では何が起きるのか。そのとき制度はどうあるべきか。社員のモチベーションを高め、一人一人が力を発揮できる環境をどう作ったら良いのか。サービスや会社の「永続性」をどうやって確保したら良いのか。売上は?コストは?利益は?資金は?
高橋は、まさにベンチャー企業が急成長するときの激変を身をもって体験しており、FrogAppsでもこれまで、組織作りにおいて大きな力を発揮してくれてきました。
そんな今までを振り返れば、私たちのチームが次の段階に進化するフェーズにあたり、新たな歩幅でミイルを率いていけるのはまさに彼を置いてほかにはないと思っています。バトンを渡す相手として、彼以外の適任者はいないでしょう。
 
高橋はこれまでも非常勤取締役、つまり裏方として会社を支えてきてくれましたが、彼の組織作りへの知見が最大限に価値を生み出すのは、むしろこれからが本番なのだと思います。
 
そこで、今までは「表=中村、裏方=高橋」だったポジションをくるっと入れ替えて、「表=高橋、裏方=中村」という体制にしようというのが、今回の組織変更の基本的な考え方です。
もちろん、私と高橋の共同創業者二名のパートナーシップは今までと全く変わりません。今まで同様、いや今まで以上に、私と高橋は会社とサービスの発展に協力して当たっていくつもりです。もちろん、私がFrogAppsを辞めることは決してありません。渋谷のオフィスにも毎日通い続け、今までと変わらず高橋の隣のデスクで仕事を続けます。これからも創業者兼取締役として、サービスを生み出した原点を知る者として、私らしい貢献をしていきたいと思っています。
 
ですから、ユーザーの皆さんには是非期待していただきたいと思います。新しい体制のもと、これからのミイルは、今までよりももっと皆さんのそばに寄り添い、共に成長していけるサービスになっていきます。
 
 
■若い世代を活かす組織へ
今回の組織変更では、もう一つの大きな変化があります。それは、これからのミイルの開発を引っ張っていく中心メンバーは、我々取締役や創業者の面々ではなく、FrogAppsの新しい若いメンバーたちになることです。
 
創業以来、FrogAppsの最大の問題は「平均年齢が高いこと」でした。取締役は軒並み30代後半から40代です。健康についての話題で盛り上がるベンチャーなんて、世間を見渡してもそうそうないはずです。
平均年齢が高いベンチャーは、その経験を活かした老練な(笑)展開が強みではありますが、同時に経験に縛られてしまって大胆な発想が出てきづらくなったり、「蛮勇」を発揮しづらくなるという欠点があります。
そこで、今回の組織変更では「若いメンバーがのびのびと大胆に挑戦できる環境を作ること」も大きなテーマとなっています。若いメンバー、特に20代〜30代の社員に思い切った権限委譲を行い、経験を持った取締役が失敗を生暖かく見守れるような環境を作ること。時間をかけて正解を見つけるのではなく、できるだけ早く失敗し、どんどん改善していける体制にすること。それこそが、新体制の目指すFrogAppsのあり方です。そして、高橋の経験や知識は、その環境作りにこそ真価を発揮するのだと思っています。
 
人々と食の幸せな出会いを作り出すこと。
 
そのミイルのビジョンに向けて、FrogAppはより強力なチーム体制で全力で取り組んでいきますので、若いメンバーたちの頑張りや情熱に、これからも暖かい応援をいただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。
 
 
■こういう社長交代があってもいいと思うんです
ベンチャーの創業社長がこのタイミングで社長を交代するのは、おそらくかなりレアなケースかと思います。創業社長は力の続く限り経営者の座にとどまって、会社の成長に尽くすものだというのが一般的な考え方でしょう。実際、投資家の皆さんからも、驚きの反応があったことは事実です。
しかし、子供の成長を考えれば、幼稚園の先生からスタートして、やがて小学校の先生、中学高校、そして大学の教授と、そのステージに応じて先生が替わっていくのと同じように、会社だってそのステージに応じて経営者が変わるという考え方もあってよいのではないかと、僕は最近そう思うようになりました。FrogAppsという会社も、ミイルというサービスも僕の思いからはじまり、今ではユーザーの皆さんや社員のみんなの思いに支えられるものに成長しました。
 
その視点から、自分の思い入れとか肩書きを一旦横に置いて、客観的に会社の成長を最優先に考えると、そのときそのときのフェーズにふさわしい経営者に成長を託すという選択肢はあってよいのではと思います。
 
もちろん、こんなことはどんな会社でもできることないでしょう。私が高橋という共同創業者を得られたことは、奇跡のようなものだと感じています。こうして素直に尊敬でき、全力で信頼でき、何の心配もなく社長の座まで託すことのできるようなパートナーを得られるなんて、そうそうはあることではありません。
私たち二人は、時に本当の兄弟と間違われるくらいに似ています。二人とも同じ趣味を持つだけでなく、ときに着てくる洋服が上から下までお揃いになってしまうことがあるほど、性格的や考え方から価値観、美意識に至るまで共通するところがあまりに多く、僕にとってはまさに「兄さん」といえる存在です。また仕事における考え方も実に共通していながら、僕にはないスキルや経験を山ほど持っています。これほど素直に共感し尊敬できる相手は、そうそうはいません。
そういう人と共に創業できたこと、そしてこうやって社長のバトンを渡すことのできる相手がいることは、本当に希だし、恵まれていることなのだと思っています。
そしてこの縁を、僕自身の僥倖を、ミイルにも活かすことができれば。
今回の社長交代が、ミイルにとって大きな飛躍になることを心から信じています。
  
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今回も、写真を撮ろうと思い立って並んでみたらこんな感じに…
 
★★★
 
「で?社長を降りて、お前はこれからどうすんの?」と思われる方もいらっしゃると思いますので、そちらも少しだけご報告させていただきます。まだ現時点では公表できないことが非常に多いので、また時が来るまで詳細は乞うご期待なのですが、ひとまず現時点でのお知らせをいたします。
 
FrogAppsと私が出資して3月1日に子会社を設立し、私はその子会社の社長に就任しました。社名は「株式会社フロッギー」。名前からもおわかりいただける通り、FrogAppsの弟分という立場です。
これからは、FrogAppsの取締役を続けながら、主にはフロッギーで新規事業の立ち上げに取り組む予定です。
 
このフロッギーという会社は、ミイルとは違う角度から過去数年間温めてきた「あるアイデア」を具現化することを目的としています。事業の内容はまだ詳しくご説明できないのですが、飲食店が永く抱えてきた大きな課題を解決したいという、私自身の過去の経験に基づいた、きわめて泥臭いサービスを提供することとなります。
 
これからのFrogAppsとフロッギーは、血を分け合った兄弟として同じ理想やビジョンを掲げながら、同時に全く違うルートから、どちらが早く頂上にたどり着けるかを競い合うライバルのような関係になっていくことでしょう。
そしてそれぞれのサービスがそれぞれのルートでの登頂に成功し、二つのサービスが繋がったとき、ミイルと新サービスはかつてないグルメソリューションを世に提供できるはずです。
 
外食産業とネット業界の仲立ちとして、飲食店がお客様と共にハッピーになれる仕組みを提供すること。そして日本の食文化をもっともっと豊かにしていくこと。それは僕個人のここ数年の一貫したテーマでもあります。
そしてフロッギーはその実現に向けて、飲食店のあり方を根本から変えるような革新的なサービスを目指してがんばっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 
なお、こちらの詳細についてはまた追ってきちんとご案内させていただきますので、機が熟すまでしばらくお待ちくださいませ。
あ、ごく少数ながらメンバー(エンジニアさんとデザイナーさん)もこっそり募集していますよ。興味のある方は hitoshi [at] frogy.jp までご連絡くださいね。