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@hitoshi annex on hatena

@hitoshi annexがはてなに引っ越してきましたよ

プレゼンに必要なこと【セールス向け】

先日、トレタの社内でセールスチームを集めてプレゼン大会を行いました。
もともとは最近某コンペで「プレゼン負け」があったので、そのてこ入れとしてプレゼン強化を行おうという狙いで開催したのですが、これがセールス各自はもとより責任者やマネジメントそれぞれにとっても大変勉強になる良い機会になりました。
こういうロープレ的な実戦に即した練習はとても大事だと思った次第。
 
で、その内容についてまとめたものを社内で共有したのですが、自分たちの戒めや心がけとして公表しておくのもいいかも、ってことでブログに転載してみます。
 
★★★
 
セールス各位
 
簡単なメモは先日のロープレ終了後にマネージャーから返してもらっていますが、それでは不十分かと思いましたので補足です。
改め、この前のスタート会議内で話したことと併せてのフィードバックです。
 
【情報の取捨選択】
金曜日のロープレでは、各自のトレタの知識が増え、トレタの機能自体も増えていく中で、それを「全て」お客様に伝えようとして、結果まとまりのないプレゼンになっている人が多い印象を受けました。
そもそも、トレタの全てを完璧に説明しようと思ったら、時間は2時間あっても足りません。
しかしお客様からはそんな時間をもらえるわけもなく、つねに限られた時間の中でトレタの価値をお客様に伝えなければならない。それがセールスの皆さんの現実でしょう。
 
そのためには、「引き算」が必要です。何を話し、そのためには「何を話さないか」。
大抵は、話したいことを全て積み上げると、与えられた時間を軽くオーバーすることになります。ですので、伝えたいことを全て列挙した上で、そこから引き算をしていく作業が必要になるわけです。
そこを引き算せずに「早回しで詰め込もう」とかやっても無理です。それをやると「全部言おうとして全部伝わらない」という最悪のケースになります。
 
昨日プレゼンでは、うまい人とうまくない人の差は歴然としていたのですが、うまい人はその引き算の思い切りが良いことが勝因の一つになっていると感じました。
僕は広告代理店時代に「ワンクリエイティブ・ワンメッセージ」というルールを徹底的にたたき込まれたのですが、それはプレゼンでも同じだと思います。一回のプレゼンで伝えられることは一つだけ。いくつも伝えようとすればするほど、結局は何も伝わらなくなります。だからこそ、徹底的に「何を伝えるか」を吟味して、練りに練ったプレゼンを行わなければならないんです。
 
 
【話す内容に優先順位を付ける】
でもその引き算を間違えると、大事なことが全くお客様に伝わらず、お客様からしたらどうでもいいことや興味の無いことばかり聞かされるという、それこそ最悪のケースも出てきます。
その失敗が怖くて引き算ができないという人もいるかもしれませんが、そもそもその優先順位を深く考え抜いていなくて、「なんとなく」話す内容を決めている人もいたように感じられました。結果、大事なことは全然伝わらず、どうでもいいことに余計な時間をかけるようなプレゼンができあがります。
ではなぜその優先順位をうまく決められないか。
それは単純に「情報不足」が原因でしょう。お客様についての情報が圧倒的に足りていないから、引き算を行おうにもその基準が全く分からないというわけです。
 
 
【なぜ情報不足が起きるのか】
なぜ情報不足が起きるかといえば、それは本当に単純で「真剣に、お客様のことを深く知ろうとしていない」からに尽きます。ではなぜ深く知ろうとしないかというと「お客様のことよりもトレタや自分のことで頭がいっぱい」だからなのではないかと思います。
つまり、「自分に求められていることは、トレタを詳しく理解していることだ」「自分はトレタのことをきちんと説明できなければならない」と思うがあまり、お客様のことよりもトレタのことでイッパイイッパイになっているということですね。
 
 
【お客様を深く理解することが一番大事】
まずはその思い違いを改めましょう。セールスの皆さんに一番求められていることは、「お客様のことを徹底的に理解する」ことです。「あたかもお店のスタッフの一員として、あるいは本部の一員として、ときには経営者として、そのお店のことを同じ目線で共感を持って語れる」のが理想なんです。
 
たとえば、Eさんのプレゼンを受けて僕が一番グッときたことは、彼は「まるで店長さんの代理として、本部や経営者を説得しようとしていた」ことです。Mさんのプレゼンも、一生懸命お店のことを理解しよう、一生懸命役に立とうとしていることがとても伝わってくる、極めて印象的なものでした。
あるいは、トレタの機能なんて全然理解していないYさんが、それでも見事に案件を取ってきたりするのも同じことです。彼はトレタのことを勉強する代わりに、お客様と同じ目線で語れる技術を持っているんですね。(機能の勉強をしないことを認めているわけではありません)
 
 
【相手と共感できれば「勝ち」】
僕がお店を経営していた頃にはいろんな営業の人からセールスを受けました。そのとき、常に僕が質問していたのは「売り込みに来てるのはいいんだけど、そもそも君はウチのお店で一度でも食事したことあるの?」「仮に食事したことなくても、ウチのことをちゃんと調べてきてるの?」ということです。そして、それをきちんとできている人とそうでない人のセールストークには、歴然とした説得力の差がありました。例え同じサービスや製品を売りに来ていても、です。
 
だから、セールスで必要なことは「トレタを一生懸命説明すること」ではなく「トレタはウチのことをきちんと分かってくれてるんだな」「トレタならウチの課題を解決してくれそうだな」「この会社だったらウチのお店の繁盛に力を貸してくれそうだな」と感じてもらうことだと思うのですよね。
やはり金曜日のロープレでも、そう思わせることに成功している人のプレゼンは説得力があったし、それができていない人のプレゼンは全然頭に入ってこなくて、心もピクリとも動きませんでした。
なので、皆さんはまずはお客様の共感を得ることに全力を注いで欲しいと思います。
 
ちなみに念のため言っておくと、お客様の共感を得るのは、決して媚びを売ることでもひれ伏すことでもないですからね。むしろちゃんと対等な目線で(但し敬意を持って)話せるという技術も必要です。人間誰しも、自分に媚びを売る人のことなんて信用しないでしょ?
 
 
【提案に至るまでは徹底的に「知る」努力を】
その信用を得るためにも、そして正しい提案ができるようになるためにも、絶対に欠かせないのは「相手を知る」ことです。
営業の皆さんは、何はなくともとにかくお客様のことを深く深く理解するように努力しましょう。そこで必要になってくるのは「聞く技術」です。
 
これもまた僕の過去の経験から言うと、聞き方にも巧拙はあってですね。「おまえ、なんでそんなこと聞いてくるの?」というピント外れな質問や、「君、そんなことも知らずにウチに来てるの?」みたいな下調べや最低限の知識があれば分かりそうなことを聞いてくる人は、そもそも提案に至ることもなくお引き取り頂いていました。
逆に「おお、そういう質問が来るか。鋭いな」とこちらが嬉しくなるような質問をしてくる人もいるんですよね。そういう場合はこっちもノリノリになって前のめりでいくらでも教えちゃうし、もっと言うとその質問だけで取引を決めたりすることだってあるわけです。
 
だから営業の皆さんには、トレタのことをうまく説明する練習をする前に、お客様に質問する技術を身につけて欲しいと思っています。社内には、トレタのことに詳しい人はいくらでもいます。でも、お客様について正しく詳しく知っている人は誰もいないんです。そのお客様のことを深く知ることができるのは、担当の営業だけなんです。
じゃあどんなことをどうやって質問したらいいか。
 

  1. わざわざ質問するまでもなく、知っていて当たり前なこと
  2. 知らなくてもマイナスにはならないけれど、知っていると信頼を得られること
  3. 僕らが知らなくて当たり前で、質問してきちんと教えてもらわなければならないこと
  4. 相手を感動させるような深い/鋭い質問

 
質問にはだいたいこの4段階があると思います。営業の方には、まず1から3まではきちんと整理して押さえておいて欲しいところです。そして「ヒアリングシート」を用意するなら、1の質問なんて絶対にそこに入れないようにね。
あと、4についてはあまり無理をしないように。これは少しずつ身につけていけばいいことだと思います。表面だけなぞって「御社の哲学は」みたいな質問をしても、逆に「イラッ」とさせるだけですよ。
 
 
【常に心がけることでしか改善されない】
トレタの側に立ってプレゼンするか、お客様の側に立って提案できるかは、実は結構根源的な課題です。これは技術でもテクニックでもなく、セールス一人一人の考え方や気持ちの有り様に関わるからです。今までできていなかった人が「今日からお客様の立場で考えて行動しろ」と言われたからといって、身に染みついたやり方はそう簡単には変えられません。
でも、これは変えようと努力しなければ決して変わらないのも事実です。
 
だから、とにかくセールスの皆さんは、日々心がけて欲しいと思うのです。毎日毎日、自分のスタンスを客観的に見て、あるいは仲間から指摘してもらって、常日頃から自分の意識を変えていくように努力するしか、この問題を根本から解決する方法はないと思っています。
 
 
【準備をする - プレゼンの度に資料を作り替える】
プレゼンの度に資料を作り直す。これは時間のない営業の皆さんの立場から言えば大変なことだとは思います。でも、これはとてもとても大事なことです。是非やってみて頂きたい。
なぜか。
 
確かに「トレタの説明をする」と考えれば、資料は一つあれば事足りるでしょう。トレタというサービスは一つしかありませんから、何通りも資料を作るという必然性はどこにもありません。
でも、お客様はどうでしょうか。お店によって、会社によって、営業スタイルやオペレーションは違いますし、目指す理想型も違う。もちろん抱えている問題も千差万別です。
では、一店舗一店舗異なる課題をきちんと把握し、それを解決する方法を提案するのだとしたら?当然、そのお店ごとに必要とされる資料は異なりますよね。
 
つまり、資料をお客様ごとに作り替えているか、それとも一種類の資料で使い回しできているかは、各セールスの営業姿勢そのものが現れるところなんだと思うのです。
そして、もし自分が一種類の資料で営業できてしまっているとしたら、営業に対する考え方を根本から振り返ってみてほしいと思います。そして問いかけてみて下さい。
自分はどういう立場でお客様に提案しているだろうか。トレタの人間としてお客様と対峙して話をしているか?それともお客様の一員として、仲間として同じ目線で話せているだろうか?
自分はトレタの機能を紹介して終わっていないだろうか?トレタを使うことでそのお店に起きること、トレタがどう役に立つかを話せているだろうか?
 
資料を作る手間を惜しんで「数」をこなしても、結果は出ません。だったら、もう少し丁寧にお客様一社ごとにきちんと資料を用意して、お客様の課題を一緒に解決する姿勢で臨んでみて欲しいと思います。
 
 
【準備をする - リハーサルをしているか?】
今回、強く感じたこと。それは明らかな練習不足です。ひとことでいえば、プレゼンがこなれていない。僕らのプレゼンでは特にデモが大事なはずなのですが、そもそもそのデモが全くの練習不足で実にたどたどしい。その結果、肝心のデモでお客様を引きつけることもできず、感動させることもできず、使いやすさという最大の魅力が伝えられずに終わるというケースが少なくありませんでした。それじゃ勝てるわけないよね。
 
また、プレゼン時間も「15分」と伝えてあるのに、その時間に収まらない人、そもそもその時間を気にしていない人も多すぎです。お客様から15分と言われたら、絶対に15分に収めるようにしましょう。それだってお客様との大事な約束なのですから、反故にしちゃいけません。
 
15分は短いです。その中できちんと大事なことを全て盛り込んでお客様に理解してもらうには、時間配分や構成が一番大事なのですね。どの説明に何分くらいかけたらいいか。どういう順番で話したら、より説得力が高くできるか。それは考えても考えすぎることはありません。
だから、きちんと時間内で自分にできうる最高のプレゼンをするためにも、絶対にリハーサルをして下さい。ストップウォッチを使い、時には同僚や上司にも見てもらって、自分のプレゼンを改善する努力をして下さい。リハーサルは、お客様の前でプレゼンする時には必ず事前に一回はやっておく習慣を付けて下さい。
 
「頭の中でシミュレーションしてます」「頭の中でリハーサルしてます」と言う人もいますが、そんなのリハーサルのうちに入りません。ちゃんと本番と同じように資料を使い、本番と同じようにデモをやって、本番と同じように他人に見てもらって、それでないとリハーサルにはなりません。
こうして何度もリハーサルをしていけば、だんだんと説明やデモが自分のものになっていきます。どんな状況でも慌てず、落ち着いてプレゼンできるようになれば、プレゼンの説得力も変わってきます。お客様の目を見たり、お客様の反応を見ながら冷静にプレゼンのやり方や内容を微調整することだってできるようになります。
 
間違えて欲しくないのは、そのくらいのレベルには誰だって到達できるってことです。この程度のプレゼンに「才能」は関係ありません。現状できていない人は、単に練習不足なだけです。
 
 
【準備をする - プレゼンのゴールを明確に把握する】
それともう一つ。
ロープレでも散見されたのですが、プレゼンや提案の機会をもらったとき、その「ゴール」が何かを分からないまま臨んでいる人が数名見受けられました。
 
ゴールを正しく理解するのはとても大事です。というか、ゴールを理解せずにプレゼンするなんて、目的地が分からないのにいきなり走り出すようなもんです。100m走なのか、マラソンなのか、それとも登山なのか、単なる通勤なのか、はたまた海外旅行なのかが分からないのに、いきなり家を出る人はいないですよね?
 
先方は予約情報の電子化のメリットを理解している?それとも紙のまでいいというスタンス?
決裁者の承認をもらうのが目的?それともまだ見てもらうだけの紹介の場?
先方の関心があるのはデモを見ること?それとも導入によって経営にどういうメリットがあるかを理解してもらうこと?
これは単独のプレゼン?それともコンペになっていて、他社と比較される?
 
こういった前提条件が変わるだけで、プレゼンの内容はガラッと変わります。前提を誤解して、あるいは情報不足のままプレゼンに臨んだって、勝てるわけないですよね。これは「知る」ことにも通底する問題なのですが、プレゼンの場合は、そのプレゼン自体の目的もきちんと聞いて理解した上で臨むようにして下さい。
 
 
以上、ちょっと量が多くて申し訳ありませんでしたが、考えついたことを一通りざっとまとめてみました。また思いついたことがあったら随時共有します。
今回のロープレをきっかけに、会社として強制されなくても、セールスチーム、あるいはメンバー一人一人が自主的に改善の工夫を行ってくれることを期待しております。
 
 
【おまけ】
そんなことを考えていたら、こんな本に巡り会いました。
これ面白いです。今回僕が感じたこと、そしてみんなに伝えたいことをより深く掘り下げて、かつ体系立てて解説してくれています。僕が理想とする仕事のあり方はこんな感じ。
デザイナー向けの本に見えますが、むしろセールスの人たちに積極的に読んで、自分の仕事に対する姿勢や仕事の進め方を振り返ってみて下さい。
 

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

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