「美味しい写真の学校」で料理写真が一段上のレベルになった気がする!
2012年12月9日(日)、ミイル初のリアル写真講座イベント「美味しい写真の学校」が開催されました。
- デジタルハリウッドさんの運営する「カメラの学校」
- Eye-Fiカードを提供している「アイファイジャパン」さん
- ミイル
- そしてこのコラボをキヤノンマーケティングさんが応援
という、大変豪華なラインナップでの開講です。
今回のイベントは、「ミイルで写真の楽しさに目覚め、さらにステップアップしたいと思っているユーザーさん」が対象です。
実は、ミイルには「ミイルが楽しかったので、もっと美味しそうに撮りたいと思ってデジカメを買っちゃいました!」というユーザーさんが少なくないのですね。そう考えると、ミイルが「料理に限定している」のは、むしろ入りやすさ、わかりやすさという点で、写真の楽しさをより感じやすいサービスになっているのかもしれません。
で、そういう「写真好きをどんどん増やしているサービス」という観点から見ると、「カメラの学校」は言うまでもなく、「デジカメで撮った写真を簡単にスマホで扱える」Eye-Fiカードや、豊富なコンデジラインナップを誇るキヤノンさんとは、とても相性が良いのですね。
そんな経緯で、今回の豪華コラボが実現したというわけです。
今回は、アイファイジャパンさんからEye-Fiカードが参加者全員にプレゼントされるという大盤振る舞いも!さらにキヤノンマーケティングさんからは、ミイルで開催されている「B級グルメなフォトコンテスト」にデジカメを賞品として提供して頂いたり、講座では無料貸出機をお借りしたりと、本当にありがたい応援を頂きました。
さて肝心の講座の内容をご紹介する前に、ちょっと驚いたことを一つだけ。それは「今のEye-FiってAndroidだと簡単に設定できるじゃん!」ってことです。(コラボしてるのに、今まで知らなくてスミマセン)
僕も以前からEye-Fiカードは利用しているのですが、使い始めると超絶便利なものの、使い始めるまでの設定が超面倒だったという記憶があります。
しかし、接続する端末をAndroidに限定するなら、今のEye-Fiカードはすごく簡単に使えるんですね。当日プレゼントされたのは「MOBILE X2 4GB for docomo」との同等品なのですが、これはカードに同梱されている暗証番号をAndroidアプリに入力するだけで設定が完了しちゃうのです。
これはちょっと便利すぎるんじゃないのか!いいのかこんな簡単で!てかiOSも早く実現してください!
というわけで、写真講座です。
■写真家木村文吾さんによる写真講座
木村氏は食専門のプロの写真家さんです。作品の一部はこちらのサイトやこちらからも見られますので、是非ご覧ください。で、今回はこの木村氏による「美味しい写真の撮り方」講座の初心者編だったのですが、これがまた本当に面白かったのです。いや、マジで感動しました。
中でも印象に残っているのは「料理写真は風景写真とも人物写真とも違う」という言葉。これには、僕自身ハッとさせられました。僕は写真が趣味だし、仕事でもミイルという写真共有サービスをやっているくせに、「料理写真」というジャンルを「風景写真」や「人物写真」と同列に考えたことはありませんでした。誤解を恐れずに言えば、風景や人物よりももっと狭い、とてもニッチな「ブツ撮り」の一部だと思っていたかもしれません。
しかし、料理写真はそれだけで立派な写真の一ジャンルなのですよね。確かに、料理写真に求められる技術やスキルは、他のどの写真ジャンルとも違います。風景写真や人物写真がうまいからといって、その人が必ずしも料理を美味しそうに撮れるかというと、そんなことはありません。
風景や人物と料理写真が一番違うのは「見る人の食欲を刺激できる写真が良い写真」ということでしょう。食欲中枢を刺激するような写真は、単に「キレイに撮る」技術だけでは足りません。人の五感全てに目配せして、人が「美味しそう」と感じる瞬間とは何かを考えぬかなければ、やはり人がよだれを出すような写真は撮れないのでしょうね。
講座の中では、「シズル感とは、視覚以外の五感に訴えかけるものを写し取ること」という言葉もありました。まさに料理写真の神髄はそこにあるのでしょう。まさに、食への愛にあふれた内容で、むしろ僕らミイルのスタッフ全員が学ばなければならないことばかりでした。
【料理撮影のポイント】
まず美味しそうに撮る基本中の基本として「ぶれない構え方」が不可欠。
基本的には「左手だけでカメラを支える」こと、そして「右手はシャッターを押すだけ」にできること。
右手でカメラを支え、右手でシャッターを切ると必ずぶれるので注意。
この構えの基本は、一眼でもコンパクトカメラでも同様。
★★★
1)カメラの設定
- ズームはできるだけ望遠側にする
- よりボケを使う(絞り値を小さく)→ 雰囲気が柔らかくなり、主題が引き立つ
- マクロを使えたら積極的に使う
2)アングル
おすすめアングルその1:実際に料理を食べるときの目線(45°)を崩さずに撮る
- 実際、和食などクラシックな料理写真は45°、パンフォーカスが基本だった
- 「美味しそうだな」と思った瞬間に、そのアングルから撮ることで、迷いのない写真が撮れる
「日常のアングル」からしっかりぶれないように構えて撮る木村先生
おすすめアングルその2:真上から撮る(非日常のアングル)
- 日常生活では、普段料理を真上から見ることはほとんど無い。だからこそ、真上から撮ることで料理の新しい魅力が見える
3)構図
写真を分析する方法はたった3つ。「点」と「面」と「線」。
- 点:見せたい一点だけ、そのシズル感を強調する。そこに視線を集中させる
- 面:器の存在感なども含めて撮影する。全体を見て欲しい場合。点だと飽きるが、面だと飽きづらい写真が撮れる。前述の真上から撮るというアプローチがこれに近い
- 線:視線を誘導して動かす見せ方。動き方は色々な構成の仕方があるが、料理人の手を入れたりすることで、手に沿って視線が誘導される効果が出る
4)フレーミング
- 伝わらない写真はだいたい要素が多すぎる
- 古くから言われているが、やはり「写真は引き算」
- 何でも引けばいいわけではないが、余計なモノは入れない
5)心構え
- 写真を撮るときにあまり悩みすぎない
- いつも「出てきたらすぐ撮りたい」と心がけている
- 「熱いモノは熱いうちに、冷たいモノは冷たいうちに」という、料理人やお店の人の想いを理解して撮ることが大事
- 出てきたらすぐ撮れるようにするには、撮る前にイメージを高めておいて、どう撮るかを大まかに決めておくことが大事
- さっさと撮るとみんな平和でいられる
「1から4を常に意識して、さらに5を実践することで、あなたの料理写真の技術は確実に一段上のレベルに進みます!」
以下は質疑応答などの内容です。
この内容は、第二回の講座以などで改めてきちんと取り上げますがご参考まで!
おまけ1)"シズル感"を出すには
- 「視覚以外の五感に訴えかけるもの」を表現する
- ライティングが大事(逆光や半逆光だと美味しそうに撮れる)
おまけ2)「一人で箸でお肉を持って、それを撮る」には
- 左手でカメラを持つ
- 右手で箸を持ち、お肉を鍋に
- カメラはセルフタイマーで自動的に切れるようにする
- ピント合わせは左手でなく、右手で箸の位置を前後させて合わせる
おまけ3)キレイに湯気を写すには
- 逆光だと撮りやすい
- 背景が暗いと撮りやすい
- 普通に目に見える湯気はどんなカメラでも撮れる(細く一筋、銀杏から登る湯気、的なものはプロにお任せください)
おまけ4)夜の飲食店で美味しそうに撮るには
- 美味しそうに撮れる照明の位置を探しましょう。真上でなく、少しずらした方がいいかも。
- 基本的にはストロボは使わない。感度を上げ、ぶれないよう構えるなどしてできるだけ使わない工夫を。
- どうしてもストロボを使わないといけない場合は、壁際に料理を置いて撮る、ストロボの光が直接料理に当たらないように紙で遮る、等の工夫を。
★★★
■そういうわけで
今回はユーザーさんの参加率も限りなく100%に近く、大盛況でした。
講師にも協賛にも恵まれましたが、やはりこれは何よりもミイルがステキなユーザーさんに恵まれているからに他なりません。
会場では、しゃぶしゃぶが出てもしばらくの間どのテーブルも手を付けず、みんな写真を撮りまくっているという絵もなかなかお目にかかれるものではありません。(^^)
これをきっかけに、一人でも多くの方が料理写真の楽しさに目覚めて頂ければと思っています。
実際、会場に来てくれたユーザーさんの写真を見ると、明らかに過去の写真とはレベルが変わっている人もちらほら!これは本当に驚きましたし、心から嬉しかった!!
また第二回も是非やろう!という話になっていますので、その時はまたたくさんの方にご参加頂きたいと思っています!
ご参加頂いたユーザーの皆さん、木村先生、そしてアイファイジャパン・デジタルハリウッド・キヤノンマーケティングの皆さん、本当にありがとうございました!!!